会長挨拶
会長挨拶
本会は、新聞を教材として活用する学習活動であるNIE(=Newspaper in Education)を支える理論と実践研究に取り組む学術団体として2005年に設立しました。
本会は、個人会員とともに新聞社・通信社などの法人会員から成り立っています。日本新聞協会の調査によれば、2023年10月時点の新聞発行部数は、2859万部(一般紙とスポーツ紙の合計)で本学会が創立した2005年の5257万部の約半数に減少しています。
この間、新聞社・通信社に所属するジャーナリスト(記者)数は、女性記者比率が12%から25%に改善される一方で、総数は20.315人から15.905人へと減少しました。社会の多様性が進む中で、多様な視点で丹念に取材し記事を書くプロ自体は減り続けています。
SNS等で子どもも含めて市民自らが情報発信者となることができるいま、情報を集め、整理・分析し、発信するジャーナリストの専門性と社会的役割を理解する学習も求められています。
これからの社会は、性別、国籍、言語も多様な子ども・保護者・地域の人々が対話を深める場となるでしょう。多様性を認める確かな情報源として、「新聞」の重要性が検証・確認されるためにも、本会会員によるNIE研究と実践が深まるよう、多くの方々とのさらなる協働を進めます。
日本NIE学会会長 土屋武志(愛知教育大学名誉教授・特別教授)