研究計画・実施の公表及び投稿に関する研究倫理の申し合わせ

 

日本NIE学会会員は、研究の計画・実施及びその成果の公表や投稿に際して、研究倫理に配慮することにより研究活動の健全性と社会的信頼の確保に努めなければならない。

1.研究活動と成果の公平性と客観性の確保

 研究活動は、その成果が研究者全体によって共有と検証がなされる健全なプロセスの中で営まれるものである。

したがって、

・研究の計画・実施に際しては、関連する先行研究によってえられた成果を十分に考慮しなければならない。

・研究成果の共有と検証の妨げとなるような行為、とくに自分の都合のよいようにデータを「ねつ造」(存在しないデータを作成)したり、「改ざん」(存在するデータを改変・加工)したりする行為を決しておこなってはならない。

・研究の公正さを疑わせるような要因(資金提供などによる「利益相反」)には十分な配慮が必要である。

2.研究活動への正当な評価 

 また個々人の研究活動については、その正当な評価が保証されなければならない。

したがって、

・他の研究成果や著作物の「盗用」は決しておこなってはならない。他の研究成果や著作物を引用したり参照したりする際には、かならず適正な形でそれを明示しなければならない。

・他の研究誌に公表済み、または投稿中であるような論文を本学会誌に投稿(二重投稿)してはならない。

3.研究対象者の保護 

 研究の目的や期待される成果は、その研究及び方法を正当化するものではない。

とりわけ研究活動の一環としての授業や評価の実態、観察調査やアンケート調査など、人を調査対象者として含むような研究においては、研究対象者の権利への十分な配慮がなされなければならない。

したがって、

・研究対象者はあくまで善意による協力者であって、それゆえ十分な説明と理解にもとづく自発的な同意により参加が保証されなければならない。

・研究活動によって研究対象者に生じるリスクは最小化されねばならない。

・とくに収集したデータの厳重な管理や適切な匿名化、公表に際しての必要な配慮など、研究対象者の個人情報やプライバシーの保護には十分な注意を払うことが必要である。

*本申し合わせは第16会総会(2019年10月19日)にて報告されました。